聖書のことば 7月号


聖 句

 「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めておられることです。」(テサロニケ人への第一の手紙5;16~18)

 
生き生きとした子に育てるために


 唐津カトリック幼稚園 園長 江夏國彦

 子育ての仕方は、自分の親がお手本になっていたり、あるいは反面教師になっていたりすることが多いのかもしれませんが、授かった大切な自分の子供にはやはり、自分でよく考え、自分のやり方で、楽しみながら、納得行くようにしたいものです。そこで、何事にも前向きで、生き生きとした子に育てるために、家庭での子育てについて提案してみたいと思います。

  家庭は、小さな保育園、幼稚園のようなものです。どこの保育園、幼稚園でも次の三つのことがあります。それは自由と規律、そして目標です。

 一つ目の自由とは、親は子どものために環境を整え、好きなことを好きなように好きなだけやらせることです。飽きてしまうぐらいに自由にすることです。自由にするということの中には、自分で選ぶということが含まれています。自分で選び取る力が大事なのです。大人になってからも、自分の意志で選び、何かを行い、そして結果について責任を取ることができる人間になることが大切だからです。このことは人間の一生の中で、例えば進学、就職、結婚などの重要な決断の時に特に重要になってきます。世の中には、重要な決断の時に最終的に自分で決められない大人も多く見受けられます。

 しかし、何の制限もなく自由にすることは良くないことです。放任主義にならないようにしましょう。何をするにも規律が必要です。その規律とは、具体的に言うと、子どもと親の約束事を一緒に作ることです。約束事は、子供が習得しようとしていることに対して親が親密に関わっていることの証であり、子供にとっての安心です。子供が約束を守ることは親にとっても安心感を得ることです。大人になってからも社会のルールを守りながら、かつ自分の才能を活かしつつ、積極的に生きて行けるためです。

そして三つ目が目標です。子供にとっての目標は、自分で出来るようになることです。子供は何かを出来るようになりたくて無心でやっているかもしれませんが、親は出来るようになるまでのプロセスを大切にするべきです。一つ一つのプロセスを通して多くを学ぶからです。

そのために親は忍耐強く見守る姿勢、必要なときは何時でも援助する心構え、出来たときは一緒に喜び、失敗しても励まし、失敗した原因を考えさせましょう。失敗を繰り返しながら学びます。だから、親は、子供が何かを出来るようになるまでの忍耐強さ、失敗してもチャレンジする精神、子供なりに考える力などが養われる事を大事にすべきです。こうして子供は自分で生きてゆく力をつけてゆくのです。

今日の聖句にあるように、親が全てのことに感謝し、生き生きと喜んで生きていることは、子供にとって一番の励ましになるのだと思います。

 

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