聖書のことば 8月号

 


聖句

イエスは言われた。「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る」(マルコ福音書43032節)

 

褒められて育つ

唐津カトリック幼稚園 園長 江夏国彦

 今月の聖句は、天国のたとえ話として語られたものです。蒔かれた種は小さくとも、大きな可能性を秘めています。しかし育て方によって大変違ってきます。幼児の成長も同じです。医学的に言われていることは、子供はできる限り褒めて育てた方が、心だけでなく脳の発達の観点からも良いのです。幼児が何か興味があることを見つけたら、それは子供が成長しようとしている芽生えなのです。時宜を逸せず、褒めながら育てましょう。そこで褒めるときの五つのことを紹介します。

最初に言いたいことは、心をこめて褒めることです。とくに、相手と目を合わせて褒めるなど、態度で示してください。時には頭を撫でたり、抱きしめたりしてスキンシップするのもいいでしょう。

二番目は、子どもが普段していて当たり前のことでも、なるだけ褒めてください。毎回でなくても、たとえば「元気にご挨拶できたね。」「全部食べれてよかったね。」というふうに。いつも前向きに生きる姿勢を育てることだと思います。

三番目は、その場ですぐ褒めることです。たとえば何かお手伝いしてくれたとき「お手伝いしてくれて、ママ、助かるよ。」と、その場で褒めると自主的な行動をするようになります。後になって褒めるのは効果が薄れます。

四番目は、具体的に褒めることです。ただ「頑張ったね。」とか「偉かったね。」ではなく、何を頑張ったのか、何ができたから偉いのか、具体的に褒められた理由がわかることが大切です。

最後に言いたいことは、神さまが褒めているかのような目で見守ることです。 何かをその子ができたとき、神さまはどのように見ておられるのだろう、もし神さまが言葉をかけてくださるとしたらどんな言葉だろうと思い巡らすのです。時にはその子の前で、自分が思ったことをつぶやいてもいいでしょう。子供の成長に対する親の喜び、神さまへの親の感謝の心は、たとえ言葉にしなくても自然と子供の心に伝わります。

言葉で伝えたいときは、神さまが褒めているかのように自分の喜びを伝えましょう。幼児の時から神さまへ心を向ける習慣ができることは心の成長のために素晴らしいことです。それは親にとっては子育てを楽しむこと、自分自身を褒めることにもなるでしょう。子育てに自信を得て、喜びと幸せを感じる日々になるように願っています。