聖書のことば 5月:命を育む水

 唐津カトリック幼稚園  園長 江夏 國彦

 聖母月の五月は、自然界が最も美しい季節です。特に日本は水の豊富な国ですからあらゆる生物が生き生きとして輝いています。水はあらゆる命を育み、豊かにします。しかし、心と魂の飢え渇きを覚える人には、どんなに豊かで清い水もなんの役にもたちません。人間は体と心は統一体として一つであると聖書は教えています。平和で豊かな暮らしをしている人でも心と魂を満たしてくれる水を求めている人は多いのです。


 キリストは弟子たちに次のように言われました。「わたしが与える水を飲む者は、いつまでも、渇くことがないばかりか、わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠の命に至る水が、湧きあがるであろう」(ヨハネ福音書414節)

  体が感じる飢え渇きを癒してくれる水があるように、心の飢えを満たす霊的な水があると教えています。その水こそ、イエス・キリストご自身であるとキリスト者は、信じているのです。

 苗木を植えたときは、毎日十分な水を与えなければ根付かないように、幼い子は特にこの霊的水を必要としている時期なのです。知識や技能が沢山身につく前に充分与える必要があります。子どもたちが、心も体も、感性も知性もバランスよく成長することを願っています。