聖 句
「私は山に向かって目を上げる。私の助けは、どこから来るのだろうか。私の助けは、天地を造られた主(神)から来る。主はあなたの足をよろけさせず、あなたを守る方は、まどろむこともない。」(旧約聖書 詩篇121編より)
自分で学ぶ力
唐津カトリック幼稚園 園長 江夏国彦
子どもは、もともと「自分で学ぶ力」を持っています。子どもによって学ぼうとする意欲の違いはあるでしょうが、みんな学ぶ力を持っているのです。親の立場から言えば、子どもは自分で自分を育てる力を持っていると表現することもできます。であるなら親の役割は、何なのでしょうか。
子どもの成長過程で、自分に必要な時期に必要な課題に取り組んで成長していく力があるのです。子どもは教えなくても自ら歩こうとしたり、さまざまな動作を覚えたりして成長・発達していきます。自分の成長状態に合わせて必要な事柄に対して感受性を発揮する時期があり、適切な環境の中で自ら学び、吸収してゆくものです。
だから、親は子どもをよく観察し、自ら学び成長しようとする力の助けとなる役割があるのです。良き助けとなるには、子どもの学びの状況をよく知り、時宜にかなった対応が求められるのだと思います。
何かが出来るようになることだけでなく、子どもがしばしば大人に投げかける「どうしてなの?」という問いは、多岐にわたっています。自分で理解しようという力の現れだといえます。だんだん知識欲旺盛になってゆく子どもの成長過程で「どうして太陽は夕方になると赤く見えるの?」とか、また、ある日、唐突、「神さまは本当にいるの?」と質問を投げかけてくるかもしれません。親はどのように応えるのでしょうか。これは親が試される時でもあります。このように子どもの成長を見守ることは、親の成長を求められることでもあるのです。
子どもが自分で学ぼうとする力に促されて、親も自分で学ぼうとする意欲が求められるのです。自分で学んで確信したことを自分の子に、自分のことばで応えること、それが親のつとめであり、役割であると思います。ですから、どんな人も生涯、学習することが必要なのだと思います。