聖書のことば 1月号

 

白磁ケ丘公園内の相撲場の紅葉


聖 句

「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ福音書15:13節)

 

平和のためにできることを

唐津カトリック幼稚園 園長 江夏 国彦

新しい年を迎えてお祈り致します。皆さまの上に今年も神さまの豊かな恵みが注がれますように。

 昨年は、日本被団協がノーベル平和賞を受賞して、日本中が喜びでわきました。彼らの長年にわたる活動が認められ、その努力が報いられたのです。毎年のように世界各地で争いが起きているのに核兵器は、広島、長崎に使われて以来、一度も使用されませんでした。日本被団協をはじめ、多くの人々が絶え間ない平和への祈りと核兵器廃絶の訴えが、世界の人々の心を動かしたのでしょう。

しかし、今日の世界は核兵器が使われかねない情勢です。新しい年も平和への祈りと私たちのできる活動を続けなればならないと思います。たとえどんな些細なことであっても継続することは、何時か人々の心を動かします。

新年に当たって平和を語る時、日本には、もう一人忘れられない聖なる人がいました。福岡県生まれの人で、世界平和のために命を捧げた人です。その名は、中村 哲、世界中に報道されたので覚えておられる方が多いと思います。彼は、2019124日、アフガニスタンで凶弾に倒れました。73歳でした。30年以上、治安の悪いアフガニスタンで医療活動と灌漑工事によって、戦のために荒れ果てた地を緑地化し、国の復興のために尽くされ、60万人以上の命を救った偉大な人でした。幼少の頃北九州市若松区で育ち、九州大学の医学部を出て医者になられました。大学生の頃受洗されてキリスト者となった中村医師は、「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」というイエスさまの今日の聖句通りを生きられた方でした。

 世界でも、日本の社会でも命を粗末にする悲しい事件が多く起きた昨年でしたが、一方では日本には善意ある多くの人々がいて、平和のために活動されている方々がいることを忘れてはなりません。私たちの地から輝き出た栄光の星を誇りに思うと同時に、私たちも、身近な小さなことから何かを行動に移す新しい年にしたいものです。